収益性の低いメディア企業には悪いコンテンツを製作するインセンティブが働く

広告モデルのデジタルメディアは、Google、Facebookの寡占により収益化に苦しんでいます。残された市場を争うステークホルダーが多く競争は壮絶です。メディアは生き残るためにクリック、ページビューを目標に据えてコンテンツを制作します。最も競争力のあるコンテンツがフェイクニュースということになるため、コンテンツの質は低下しがちです。

人々が享受できる正しい情報生成はまだない

「コンテンツ流通は進歩しているが、コンテンツ自体は依然として悪いままではないか」。2016年、米国の偽ニュース問題や医療系メディアの問題は、コンテンツ流通に大きな疑問を投げかけました。

「世界中の情報を整理する」「人と人をつなげる」――。GoogleやFacebookのミッションを実現するためには、良質なコンテンツを生み出しながら、コンテンツ生成者に対して十分な報酬を与えられる仕組みを生み出す必要があると思いました。存在しない事実や厳しい就労環境で量産されたものではなく、「いいもの」をつくるための装置とインセンティブ設計が必要なのではないでしょうか。

2017年当初に問題化した医療系サイトの一件はコンピュータが意味的(セマンティック)な部分を理解できるか、という部分も問われました。現状はそのコンテンツが正しいかどうかを、GoogleやFacebookは読めなかったのです。

質をどうやって評価するかという難題

記事の質の評価をどう下せばいいのでしょうか。世界には多様な考えがあり、どれが一番優れているかを判別する方法はありません。多様性と確実性がトレードオフなっています。

数十年後にすごい機械知能が現れて、いまの司法が担っている役割をテイクオーバーしたりするかもしれません。『エヴァンゲリオン』に出てくるマギコンピュータみたいな感じでしょうか。コンテンツディストリビューション専用のそれがあって、情報爆発の面倒を見て、いい情報に会いやすくする。Embed Intelligenceやパーソナルアシスタントがそういう役割を担うことになるかもしれません。