今週はGoogleとTemasekの東南アジアe-conomy共同調査に注目したい。

両者のインターネットのデータとマクロ経済、マーケット情報のミックスには一定の信頼をおいていいと考えていいだろう。Googleはインターネットの各レイヤーに根を張っており、東南アジアも例外ではない。Googleが取得できるデータはとても広範に渡り、かつ深いと考えられる。

Temasekは政府が所有する投資会社(ソブリン・ウェルス・ファンド)。Temasekホールディングスの株式は全てシンガポール財務省が保有し、国内のインフラ・放送企業などに投資し、2000年代から海外投資を拡大。東南アジアも投資先に一つとし、経済統計に独特なバイアスがかかりがちな地域の特徴を掴んでいると考えられる。

Via Google& Temasek
via Asia Dev Bank

同地域のGDP成長の平均は中国の驚異的な成長ほどではなく、堅実。アジア開発銀行は9月にASEAN地域のGDP成長率は2017年に5.0%、2018年に5.1%と予測する。いずれも当初のアジア開発銀の予測をわずかに上回る見通し。12月に発出されたAsian Development Outlook (ADO) がアジア全体が2017年に5.9~6.0%のレンジとするより穏やかな成長だ。

同銀は東南アジアでは今年と来年ともに僅かに低いインフレ率とともに高い成長率が実現されると想定する。国際石油価格の上昇が4月に予期されていたよりも遅いことがインフレ率に影響する。

インターネット企業の資金調達は2016年に前年比300%、2017年は前年比75%で増加。NSI Venturesは先週、125Mドルの2号ファンドの調達のうち75Mを確保し、2018年上半期にはクローズする見込みと報じられた。

NSI Ventures hits first close on new $125M fund for Southeast Asia

同ファンドはインドネシアのライドシェア・モバイルウォレット事業者であるGo-Jekの投資家として知られる。東南アジアのVCでは今年、アリババ、テンセント、ソフトバンクがユニコーンに対し巨額投資を進めている。

GDPの示すカーブよりe-conomyが示すカーブのほうが険しくなる。アリババのLazadaへの投資などが象徴するように、市場の拡大と伴走する形でeコマースの激しい競争が続くことが想定される。また、Go-jekやGrabなどライドシェアとモバイルウォレットを同時に手がけるアプリケーションがメインストリームをとりそうな点など東南アジアのユニークな発展は楽しみ。


GoogleのTPU2(第2世代TPU)の詳細

Jeff DeanとChris Yingがこれまで未公開だった詳細の一部を、先週のNeural Information Processing Systems (NIPS) で公開した。 囲碁プログラム「AlphaGo」「AlphaZero」の論文ではTPUが学習に果たした決定的な役割が説明されている。深層学習に利用するチップに関してはNvidiaが独占的な地位を築いており、その余波も出ている。クラウドからアクセスできるようになるTPUのケイパビリティへの期待は高く、クラウドコンピューティングビジネスの状況も一変させるかもしれない。

NVIDIAがGeForceのデータセンター利用を制限。研究活動に大ブレーキ

深層学習分野で、NVIDIAの名を知らない者は潜りと言われても仕方がないでしょう。かつて日本の新聞社で、NVIDIAを謎の半導体メーカー」と呼んで赤っ恥をかいた人がいますが、NVIDIAなくして深層学習の研究はままならないことは間違いありません。というのも、深層学習に不可欠な積和演算機能に優れた半導体とAPIを提供しているのが、事実上世界にNVIDIA一社しかないからです

複合現実ゴーグル発表 20億ドル調達のステルスVR企業Magic Leap

Magic LeapがついにMRハードウェア「Magic Leap One」を来年発売すると発表した。同社は約20億ドルを調達したが、2011年の設立以来、製品を一度も発表することがない、超ステルス型スタートアップだったが、ついに2018年のハードウェア発売にこぎつけた。

ライトコイン創設者全通貨売却

Charlie Leeは自分の持分をすべて売却し、開発に専念すると発表した。自身の発言力が価格に影響し、利益相反することなどを問題視したという。

エストニア国家初ICOへ、エストコインの詳細発表

エストニアのe-レジデンシー・プログラムのマネージング・ディレクターは「エスコイン」に関する作業が進行中であることを発表し、他の詳細を提供した。このプログラムによりe住民は1日でエストニアに会社を設立し、リモートで管理することができる。

投稿者: Takushi Yoshida

起業家&デジタルビジネスアナリスト。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。ジャカルタで政治経済記者。APEC、ASEAN首脳会議でTPP、ASEAN+3などの地域経済統合をリサーチ。帰国後、米デジタルマーケティングメディアDIGIDAY[日本版]立上げ参画。2017年10月テックビジネス戦略メディアAxionを創業。

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