サマリ

SnapからはFacebookの地位を目指した上場時のモメンタムは失われたが、毎日Snapchatを利用するユーザーが2億人近くおり、ARPU(ユーザー1人当たり収益)も好調で、健全な成長が見込める状況です。デジタル広告市場のGoogleとFacebookの2強構造のなかで、特定のポジションを獲得することに成功したといえます。大勝ちではないですが、難しい市場環境の中で「いい仕事」をしたに違いありません。

決算の詳細

Snap Inc. Reports First Quarter 2017 Results

・Snapの第4四半期の売上高は72%増の2億5870万ドルとなり、アナリスト平均予想は25280万ドルを上回りました。ストックオプションを主要な赤字要因にした第3四半期決算から一気に好転。第3四半期決算の売上高は前年同期比62%増の2億794万ドル、最終損益は4億4316万ドルの赤字でした。

・Snapが提供するアプリケーションであるSnapchatの第4四半期のデイリーアクティブユーザー(DAU)数は1億8700万人で、前年同期比18%増アナリスト予想の1億8430万人を上回りました。SnapのDAUは今年3月の上場時点の段階で鈍化していました。11月末のSnapchatの新デザインがユーザーに与えた影響もポジティブだったととれるDAUの増加でしょう。

・ARPUは1.53ドル(前年同月比46%増、前期比31%増)。北米に限れば2.71ドル。

DAU当たりの売上原価は1.02ドル(前年同月比5%減、前期比14%減)。厳密ではありませんが、ユニットエコノミクスがポジティブだと考えられる状況ですので、今後もヘルシーな形でユーザーを獲得し、そのコストを上回る収益に繋げられることが想定できます。

 

・もともと欧米圏で強いSnapですが、欧米圏以外でもDAUの拡大に成功したようです。特に中東圏に浸透しました。

After years of neglect, Snapchat wins in the developing world

・テンセントが約10%にのぼるSnap株を保有しています。
テンセントは2012年と2013年にもSnapのプライベートラウンドで投資しており、11月にSnapの株価が大きく下落した際に10%保有のステートメントを出しています。

テンセントがFacebookのライバルSnap株10%を保有  

GとFに圧迫されたコンシューマインターネット企業のなかには中国企業のM&A、出資を受けるケースがあります。中国のニュースアプリ「Toutiao(今日頭条)」がビデオアプリ「Musical.ly」を買収したのもその一つ。ビデオアプリは数少ない勝者しか生き残らせませんでした。Snapは欧米圏以外の市場が課題なので、テンセント等との連携が重要になります。

Photo via JD Lasica


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投稿者: Takushi Yoshida

起業家&デジタルビジネスアナリスト。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。ジャカルタで政治経済記者。APEC、ASEAN首脳会議でTPP、ASEAN+3などの地域経済統合をリサーチ。帰国後、米デジタルマーケティングメディアDIGIDAY[日本版]立上げ参画。2017年10月テックビジネス戦略メディアAxionを創業。

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