Magic LeapがついにMRハードウェア「Magic Leap One」を来年発売すると発表した。同社は約20億ドルを調達したが、2011年の設立以来、製品を一度も発表することがない、超ステルス型スタートアップだったが、ついに2018年のハードウェア発売にこぎつけた。

Magic Leap Oneはゴーグル「Lightwear」、処理系と電力を提供する「Lightpack」(ポケットのパック)、バイブレーションつきのコントローラー「Control」(右手)から構成される。

Venture BeatのMagic Leap CEO Rony Abovitzへのインタビューを参照する。

LightpackはCPUとGPUを最大限活用し、AI/機械学習によるコンピュータービジョンの処理を「ポケットの中」で行えるようにしたという。

「One」は基本的には室内用。ハイスペックPCと同時に利用できる。現状、同機のMRは「自動運転車がSFのきれいな環境でのみうまく動く」のと同じ状況で、最小限の装備で室外でも利用できるようにする。

「One」はクリエイターエディションで、開発者を主なターゲットにしている。初代Apple、Apple Ⅱ、Macintoshのように進化していくことでユーザーが利用し、自分で開発できる、そういうマシンにしていく。

また、以下の記事に詳しいが、Magic Leapはユーザーが複合現実(MR)内で物事を実現できるようにするビジョンを掲げている。

私たちの生活がマトリックス化する Magic Leapの驚異ミックスリアリティ

ジェネレイティブな3Dモデル

「Magic Leap One」が一般的なVRヘッドセットやARゴーグルと異なる点は、現実世界を物体認識してその形状や遮蔽を鑑みて、3Dモデルを現実空間とミックスした形で表し、それが3Dで極めてリッチな体験を与えることだ。「仮想現実内で仮想現実と現実をミックス」できることと表現できるかもしれない。

19日には、アイスランドのロックバンド「Sigur Rós」とのコラボレーション動画の一端を公開。音楽に合わせてMRの表現が行われる様子をPitchforkが記事にしている。Magic Leapのエンジンは3Dモデルを自動的に生成していると考えられ、同社が深層学習をテストしていることが伺える。

ゲーム開発者、機械知能、VFX…多様な人材

創業者のRony Abovitzは人間の認知を探求する、ときに根本から変革するという極めて得意なビジョンをもつことで知られている。

Magic Leapはこの夢のようなビジョンを達成するために多様な人材を集め、ネットワークを構築している。ゲームデザイナーNeal Stephenson、ゲーム開発者Graeme Devine、マトリックスの「弾丸時間」で知られるVFXの権威John Gaeta、ほか画像認識をフィールドとする深層学習研究者など。米国の主要なデジタルエフェクトスタジオWeta WorkshopやILMxLABとも提携する。

Magic Leapは先月シンガポールの国営投資企業Temasekがリードするラウンドで5億ドルの調達したと発表(シンガポール国営投資企業Temasekがリード)。それ以前もGoogle、Alibaba、J.P. Morgan、Fidelity Managementなどから約14億ドルを集めていた。

投稿者: Takushi Yoshida

起業家&デジタルビジネスアナリスト。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。ジャカルタで政治経済記者。APEC、ASEAN首脳会議でTPP、ASEAN+3などの地域経済統合をリサーチ。帰国後、米デジタルマーケティングメディアDIGIDAY[日本版]立上げ参画。2017年10月テックビジネス戦略メディアAxionを創業。

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