瀕死のICO – 終わりの始まりか、それとも蘇生か

分析

ICOに関してもう一度ゆっくり考えるときです。現状のスキームには投資家保護などの仕組みが欠けています。日本のICOでは、調達額は売上とみなされ課税されますし、調達額の一部をコンサルティングフィーとして払うケースも散見され、起業家のメリットが極めて薄いと考えられます。

論拠

Forbesによると、2017年はこれまでのところ「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」というトークン販売で23億ドル以上が調達されています。

2015年の段階でICO市場は100万ドルの調達ですら稀で、いまよりもずっと小さかったのです。最も目に見えるプロジェクトのうちほんの数件が何百万ドルという資金を集めていました。2016年に「the DAO」は数日間で1.5億ドル以上の資金を調達しましたが、後にセキュリティ上の欠陥を突かれ、SEOは証券取引法違反の状態だったと認定しました。しかし、DAOのために調達された資金の規模とスピードは、資金調達モデルとしてのICOへの注目を加速させました。

そして2017年に資金調達額が急増しました。 4月は1.03億ドル、 5月は2.32億ドル、6月は4.62億ドル、そして7月は5.74億ドルの調達が行われています。

目を疑う411483%の価格上昇

一部のICO案件がもたらすリターンは強烈なものがあります。NXTはICO時から411483%の価格上昇を遂げました。金融市場では起こり得ないことです。

ICO Stats

インターネット企業は将来の業績予測などから評価がされています。FAANGs(Facebook、Apple、Amazon、Netflix、Google)の時価総額はNASDAQ全体の時価総額の50%に達し、S&P 500の10%を占めていますが、それでもアセットやキャッシュフロー、将来性を加味した上で、それだけの高い価格がつけられています。

ビットコインがバブル、バブルと指摘されていますが、むしろICOから取引所に載った一部のアルトコインが表現するバブルのほうが途方も無いのです。

しかし、傾向としては取引所は多くのアルトコインの価値をディグレードし始めました。プロトコル面の開発では勝負ありで、その他のレイヤーで開発競争が行われています。取引所は価値がないモノに対して「価値がない」と見積もれるようになりつつあるかもしれません。

JPモルガン「ビットコインは詐欺」発言にアオられない方法

暗号通貨の技術が好きな層は、詐欺まがいのICOや誇大なマーケティングに関して苦言を呈しています。

基礎となるソフトウェアプロトコルとトークンエコノミーモデルを機能させるためにはトークンを生成し、そのトークンの市場価格を設定する必要があります。トークンの売却の目的がプロジェクトの資金調達のみであるとき、それはオープンソースソフトウェアの開発を容易にする(Vitalik Buterin)という本義から完全に逸れます。

TheDAOの頃からお金に目の眩んだ人たちがこの仕組に価値を見出していますし、伊藤穰一は「ブロックチェーン開発はマラソン、長期的利益を追え」「ICOは望んでいない人を引き寄せている」と指摘しています。そして2.32億ドル調達のTezos(テゾス)の創業者、キャスリーン・ブライトマン、アーサー・ブライトマン夫妻を相手取ってフロリダの投資家、デビッド・シルバーがフロリダ連邦地方裁判所に集団訴訟を申請しました。

結論

もし資本を得たいならばトークンを売却するのではなく、株式および社債を通じて調達する方が好ましいだろう。日本の一部のICOは「証券会社・監査法人飛ばし」という目的に拘泥しすぎています。起業家にとっては出口のないトンネルのような印象を抱きます。

コメントを残す