Amazonとアリババがリアル小売を飲み込もうとしている

予測

eコマースの巨人は小売業者に対しパワフルな優位性をもっており、Amazon、アリババのようなプレイヤーのペネトレイトは急速に拡大すると考えられる。

  • 情報優位。インターネットで獲得している膨大なデータが、リアル店舗の小売に対して、強烈な情報の優位性を示すことになる。人々がその都度何に興味を示し、どんな欲求を抱えているのか、何を値引きして、何を値上げしてもらいたがっているかをAmazonやAlibabaは把握できる。
  • 購買データ。アカウントに紐付いた形で多量の購買履歴を保持しています。人々のもつ嗜好やデータアナリティクスを通じた仕入れ、プライシングの戦略を作ることができる。
  • 行動データ。AmazonやAlibabaは大規模ユーザに対するクロスデバイストラッキングが可能。両者が提供するさまざまなサービスから、人々の行動をめぐるデータが蓄積されている。
  • デジタルマーケティングでの優位性。Amazonが展開する購買データを活用する広告買い付けソフトウェアのDSP(デマンドサイドプラットフォーム)など上記のデータを活用した顧客獲得が両者にとっては容易。
  • 商品開発。収穫される多量のデータはプライベートブランドの商品開発にも生かされることになりうる。Amazonやアリババはあなたの買い物の傾向をすべて把握しているので、プレディクティブにあなたにカスタマイズ商品をおすすめするようになる。
  • 物流における自動化が店舗に及ぶ。Amazonは2012年にKivaを買収し物流センターのプロセスの一部を自動化している。アリババも同様のロボティクスの採用を発表している。両者の物流の仕組みは同業他社に対し、一定の優秀さをもっているようだ。

論拠

1. Amazon Goが遂に本格展開

Amazon Goが本格展開目前だとBloombergが先週報じた。Axionはこの記事でキャッシャーなしグロッサリーストアを実現するためには100%近い精度が必要であること、不正行為を防ぐ必要があると指摘した。一年前にメディア発表されて以降、細やかな調整を続けてきたAmazon Goだが、アマゾニアン(?)はクラック耐性を試すある実験をしたそうだ[Bloomberg]

従業員はAmazon Goの技術をだまそうとした。3人の進歩的なアマゾニアンが明るい黄色のピカチュウの衣装を着て、サンドイッチ、飲み物、軽食を掴んで店内をまわった。事情に精通している人によると、このアルゴリズムはイエローのポリエステルで実体が隠れていても、従業員を正確に特定し、Amazonアカウントに料金を請求することができた。

Amazonは9月にWhole Foods Marketを137億ドルで買収完了した。高級食料雑貨品チェーンで値下げを行い、来店者数を押し上げようとしている(Whole Foodsの高い価格設定には不満をもつ消費者もいた)。AmazonのPrime会員だと値下げ幅がより大きくなるようにした。

Amazon Goチームの採用は、プラットフォームを完成させるために必要なエンジニアや研究者から、建設マネジャーやマーケティング担当者にシフトしたという。

2. アリババもスーパーマーケット買収

アリババ・グループ・ホールディングは米ウォルマート式のハイパーマーケット運営会社として中国最大手、高鑫零售(サン・アート・リテール・グループ)の株式を約29億ドル(約3250億円)で取得することで合意した。株式の36%に相当する[Bloomberg]

アリババは今年の夏にAmazon Goに触発されてキャッシャーレススーパー「淘咖啡(TAO CAFE)」のコンセプト店舗を披露した(※日本メディアでは無人店舗と翻訳されているが、商品管理、棚積みなど人間の仕事は残されている)。

仕組みはAmazon Goと似ているが、仮に商品代金がモバイル決済アプリ「アリペイ(支付宝)」から自動的に差し引かれる点が優れている。AmazonもAmazon Payをリリースしているが、クレカ会社がトランザクション処理を受け持っている(早くこの部分が合理化されることを望みたい)。

 

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