邪悪になるな、iphone搭載の顔認識の光と影

iphone Xに顔認識が搭載されました。多くの人が買い求めるiPhoneで、大規模なフェイシャルデータが集まることが想定できます。「Face ID」により今後は顔により様々な認証を行うことが可能になったり、 上の画像のように顔の動きとアバターの動きを同期させたりできるようです。顔認識技術自体は取り立てて新しい技術ではありません。Facebookの画像の被写体へのタグ付けは有名です。同社の顔認識研究プロジェクト「DeepFace」のソフトウェアは、人間の認識精度を2014年の段階で超えていました。精度は100%に近づいています。

プライバシーや監視社会の可能性

顔認識の活用に関してはプライバシーの議論があります。エコノミストは、万引き犯の検出やサッカーの試合中に違法行為を働いた人を摘発するほか、配車サービスの運転手の身元確認や決済における認証などへの応用を評価する一方、顔認識によりその人のセクシュアリティが暴かれたり、法執行機関が荒々しく利用したりとプライバシーの危機に警鐘を鳴らしています。この技術は他者を支配するという哲学で利活用されるとなるとかなり危険になります。個人の領域を力強く暴き出し、その行動を監視することに利用するができます。それこそ同性愛者の哲学者ミシェル・フーコーの論を思い出さざるを得ません。

Amazon, IBM, Microsoftは顔認証APIを提供しています。主に以下のようなことが可能になります。

  • 人間の顔を検出し似ているもの同士を比較
  • 類似性に基づいて画像をグループ化
  • タグ付け済みの人物を画像内で特定

以前から小売、セキュリティ関連で顔認識は導入されていました。特に万引被害が多い海外の小売業者は多数の監視カメラを配備して利用してきました。しかし、APIの登場により導入コストが落ちたため、多くの人・企業が顔認証を使うようになるでしょう。画像のなかの人物にタグを付ける機能を実装したアプリケーションが多くの人の手に渡っていくでしょう。

ただロシアの写真家Yegor Tsvetkovがその危うさを示すことに成功しています。彼は「Find Face」という顔認識アプリケーションを利用し、地下鉄で撮影した人々をSNSから探し出しそれを公開するというプロジェクト”Your Face Is Big Data (あなたの顔はビッグデータ)”を行いました。地下鉄で見ず知らずの人々を撮り続け、顔認証アプリ「Find Face」に画像を入力し、ロシア最大のSNSサイトVkontakteから本人を探し出した。結果、約7

顔認識を何に使うか?

顔データを何に使うかという点が重要です。マーケティングも有力な応用範囲の一つではあります。

消費者の購買行動がより細かに分かる可能性があります。買い物時の感情や検討した商品を把握し、その途中でその人がスマートフォンで情報収集をしたりしたとしても、それもスマホ経由でデータを取得できるかもしれません。最終的に購入したものも決済データから理解できるとします。

断片化しているこれらデータ群を統合できると仮定すると、一人ひとりのすべての購買に至るまでの行動に関してより細やかに理解することが可能になるかもしれません。それにより商品開発、マーケティング、生産計画の最適化が図れるかもしれません。もちろん顔認識だけでなく、大規模かつきれいなデータが手に入ることやそれを高度に解析する能力が必要になり、これらも一朝一夕の世界では成し遂げられません。

顔から感情を把握できる

もっとシンプルに利用者の顔から感情を読み取り、顧客体験の向上を図ることにも使えるでしょう。顧客から「楽しい」「幸福」などのポジティブな感情が発現されている割合が高ければ高いほど、いい店舗と呼ぶことはできそうです。品揃えや商品配置のほか、顧客から退屈を読み取ればゲリライベントやタイムセールなどのカンフル剤を入れたり、静かに商品価格を上下させたり(これはどうなんだろう笑)できるかもしれません。

飲食店で新商品を試す際にもこっそりカメラから感情を抽出して、新商品への感触をしることができるかもしれません。その商品の良さがうまく伝わらないせいで、人気化していないが、やり方を変えればヒットするものが、すぐに打ち切られてしまうという例もあるはずです。逆に人気商品ではあるものの、じわじわと顧客満足を削っている商品もあるのではないでしょうか。

結論

顔認識技術を採用するにあたり「暗号化」ができるようにしたほうが良いと思います。「Be evil」な企業/政府/捜査機関などが巨大なデータを持ってしまうと私たちのあらゆる行動や感情を把握するビッグブラザーを生みうる技術であることは確かです。いままでのようにSocialで顔を晒していたいです。

参照

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