巨額投資一服も底堅い:2017 Q3 AR / VR投資トレンド

サマリ

Magic Leap、Improbable、Unityなど大型プレイヤーがAR / VR領域の投資総額に与えるインパクトは大きい。プレシードからアーリーステージの投資がメインの傾向は引き続き続くが、事業環境に関する見通しは少しずつポジティブになっており、同領域の投資総額は底堅い印象だ。


投資家はAR / VR投資 第3四半期までの過去12ヶ月間にAR / VRセクターの27領域に対して18億ドル投資した[参照:Digi-Capital “$1.8B AR/VR investment in LTM to Q3 2017”]。

Q3が丁重なのではなくQ2が異常に高い。第2四半期までの状況をかいつまむと、投資額は2016年第1四半期(過去12ヶ月間で12億ドル、前年同期で24億ドル)に達したが、今年の第2四半期はMagic Leapの恒例の巨額調達がないにもかかわらず、第1四半期を超えた。

第2四半期はImprobableの5億ドル超、Unityの4億ドルの調達がそのほとんどを占めた。今年の第2四半期はMagic Leapの恒例の巨額調達がなかった分を両者の大型調達が埋め合わせた。AR / VRに対する投資家のセンチメントは少しずつ良化しているようだ。

1. 潜在的な巨大プレイヤーの出現

Magic LeapとImprobableの両者が設定するゲームはかなり大きい。どちらもゲーム、エンタテインメント領域を最初のステップにしているが、広範な分野でのAR / VRの採用を目指している大型のプロジェクトだ。ゲーム制作ツールのUnityもVFX編集などの活用例が広がっており、収益性は上記2社を大きく上回っている。同社はより多角的な展開を行う可能性がある。

2. 超秘密主義のMagic Leap

Magic Leapはメガネ型デバイスとソフトウェアを製作していると考えられる(同社は過剰なまでの秘密主義を敷いている)。調達金額は20億ドル弱に達している。The MatrixのVFX統括者の採用に加え、ARへのDeep Leaningの採用などからも、風呂敷を広げた製品の開発が推測できる[Axion]

3. 超硬度VRのImprobable

Improbableは超ハイレベルなVR構築プラットフォームを開発している。2012年創設から極めて長期的な計画で開発を続けてきた同社は今年春にソフトバンク / Visonファンドからの投資をうけたことで一躍有名になった。同社のプラットフォームはVRゲームの活用を最初の一石としている。都市のようなものをシミュレートすることで、現実世界のさまざまな課題の解決を図る場所を提供したいようだ。もちろん超高度な仮想現実は人工知能の学習の場にもなる[Axion]

都市開発上行われているシミュレーションはとてもスケールが小さくシンプルです。仮に都市を仮想現実上に完全にシミュレーションできれば、人口移動、経済活動、テレコミュニケーションネットワーク、公共交通機関に関するシミュレーションを同時に行えます。新しい経済モデル、交通モデルを提示し、大量に発生する結果に対して都市システムは素早く対応できるようになります。シェアリングエコンミー、ドローン、自動的に建設されるインフラなど都市には今後も数百のイノベーションが予期されており、より複雑なシミュレーションを行えるようになる必要があります。

超高度で巨大な仮想現実の生成に成功すれば、例えば人間の生体をシミュレーションして投薬実験をしてみるなど、都市以外のさまざまな領域でもシミュレーションを実施して、あらゆる分野でトライアンドエラーの周期を短くし、より最適な解を見つけることができるはずです。

4. ゲーム製作基盤の新定番Unity

2004年に設立されたUnityのソフトウェアは、Nianticの「Pokemon Go」やTencentの「Honour of Kings」などの大ヒットゲームの基盤になっている。Unityを使って開発されたゲームやアプリは、24億個のデバイスに到達したと同社は述べている[Bloomberg]

ユニティは近年モバイルプラットフォームの外に拡大しており、開発者はSonyのプレイステーション、マイクロソフトのXbox、さらにはApple TVのようなデバイス用のタイトルを作成することができる。SamsungのVR headset用のタイトルの9割はUnity基盤で製作されている。ムーンショット気味のImprobableに対してUnityは現状の市場をうまく掴んでいる。

5. モバイルARプラットフォームの開放

FacebookのCamera Effects PlatformとApple ARKit for iOS(そしておそらく今年後半にAR最適化されたiPhone 8)は、セクター全体に対する投資家の感情を再調整するように見える。その思考の転換はスピードアップしていくモバイルAR開発者のエコシステムに組み込まれるのに少し時間がかかるかもしれない。しかし、両者がもつユーザーベースの大きさは中期的にインパクトを及ぼすことは間違いがない。

Googleの新しいBlocksアプリでは、誰でもVRの3Dモデルを作成できる。Googleはこれまでにプログラミングや3Dモデリングをしたことがない人でも、Blocksと呼ばれる新しいアプリが簡単にそれを行えるようにする[The Next web]

 

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