私たちは「従来型の信頼の危機」に直面しています。 PewやIpsosなどの信用できる調査会社は、銀行、政府、慈善団体、メディアなどの伝統的な機関への信頼が長期的に低迷していると伝えています。

Via Pew Research Center

特権的な少数派の手に委ねられ、閉鎖された扉のもとで運営されているという信念に基づく制度的信頼は、デジタル時代のために設計されたものではありません。

長期的に低落している政府への信頼。民主党、共和党支持者層の双方で低落傾向がみられる。Via Pew Research Center

過去10年間のように、政府に対する国民の信頼は、歴史的に低い水準にとどまっています。ドナルド・トランプの未曾有の大統領選当選や「民主的な社会主義者」と自称したバーニー・サンダース氏の健闘には、この傾向との何らかの相関が感じられます。

分散された信頼の兆候は世界中の至る所にみられます。

見知らぬ人同士の信用に依存するAirbnb、Tinder、Uberなどのプラットフォームの台頭。伝統的な銀行を迂回するBitcoinやEthereumのような暗号化された資金の出現(彼らは自らの仕組を『トラストレス』と定義しています)。それからAmazonとTripadvisorのレビューシステムから、Facebookやその他のコンテンツ流通プラットフォームでの熱狂的なニュースの消費など多様です。

機関から個人へ

中国ではもっとドラスティックなことが起きています。市民が個々の行動に基づいて、市民スコアを与えられています。購買履歴や請求のパターンから人的ネットワークまで、日常的な選択はすべて、その人がそれを認識しているかどうかに関わらず、そのスコアに影響を与えるようになります。公正または不公平にかかわらず、結果は恒久的な記録になります。同様のシステムが普遍的になると想像するのは容易なことでしょう。

信用はしばしばそれを付与する側(政府・金融機関・不動産会社)などに暗黙の権威を提供しますが、果たしてそれが正当なのか? はたしてそれがコストエフェクティブなのか? 彼らの使うロジックが現代にマッチしているのか?(とても時代遅れなものでしょう)

信用を与えられない人への機会

分散型の信用は、伝統的な機関が信用を供与しなかったり、あるいは無視する数十億人の人々にとって価値があります。

世界はいま信用を供与するプロセスを伝統的機関からアルゴリズムに移管しています。このアルゴリズムはAI領域の発展によってより細やかなものになるでしょう。

あなたのスコアが公開されているとしたら、そのスコアで実現できることをAIが提案してくれるかもしれません。そのスコアを向上する方法を教えてくれるかもしれません。もちろん、分散型信用のあり方の設計は慎重ではなければならないでしょう。社会が抵抗し難い新しい権威を生み出してしまう可能性はゼロではありません。

参照

Public Trust in Government Remains Near Historic Lows as Partisan Attitudes Shift

eye-catch photo by pexel.com

投稿者: Takushi Yoshida

起業家&デジタルビジネスアナリスト。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。ジャカルタで政治経済記者。APEC、ASEAN首脳会議でTPP、ASEAN+3などの地域経済統合をリサーチ。帰国後、米デジタルマーケティングメディアDIGIDAY[日本版]立上げ参画。2017年10月テックビジネス戦略メディアAxionを創業。

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