Digital Economy

ビットコインの誕生

2008年の金融危機はビットコインという新しい金融の形の兆しを生み出しました。ビットコイン、暗号通貨の歩みはフィアット(法定通貨)やそこに吸着している金融システムの代替物を求めるムーブメントの側面があると私は考えています。金融危機後の世界ではバンキング(金融機能)を個人の手に戻すことを目的としています。いま暗号通貨 / ブロックチェーン界隈で起きているさまざまな挑戦の中には、10年後20年後も生き残り、やがて巨大なプラットフォームになるものが含まれているでしょう。

暗号通貨の世界では新しい経済学が生まれています。それはCripto Economics(暗号経済学)です。従来の経済学のなかで有用な理論とプログラマーたちの独自の経済学の理解がとても興味深い形で融合しています。そこには金融政策や財政政策を行う政府のような存在はなく、より分散型のガバナンスを志向する人たちが寄り添っています。暗号通貨やスマートコントラクトを活用することで、いまの世界で私たちを苦しめる非効率性や中間者を排除できます。

コンピューティングの発展

インターネットでさまざまなものがつながる中で、コンピューティングの力を、どんな人でもあらゆる場所で活用できるようになりました。モバイルは世界中を覆い尽くそうとしています。インドでは毎年1億人のペースでインターネット人口が増えています。長期的にはデバイスが消失していくはずです。デバイスが私たちの意識に上らず、ARやVRのようなもので、あるいはエージェントを介して、我々はさまざまなアプリケーションを動かし、物事を実現していきます。

最も尖ったトレンドはもちろん、機械知能(MI)です。今回は人工知能と呼ばないようにしたいと思います。特徴量の抽出などを自ずから行うインテリジェンスは私たちの暮らしをそっくりそのまま変えてしまう可能性があります。世界が放出するデータをその場で処理し、すぐさまアクションを起こすというビジョン。「データのつくられるところ、学習されるところ、それが利用されるところを同じにする」という挑戦であり、人間から見ればいつでもどこでもコンピュータの力を簡単に利用できるということです。

2008年はオールドエコノミーの死の年

将来の歴史の教科書をみれば、2008年は古い経済が破綻した年として記録されるでしょう。そしてその後のデジタルエコノミー、あるいはコンピューティングエコノミーが花開いた年になり、人々は大いなる非効率性を乗り越えたと記録されるでしょう。実際、中国では先進国よりかなり進んだデジタル経済の実践がみられます。東南アジア、インド、アフリカでも先進国をリープフロッグする種がまかれ、一部は大きな木になる兆しを見せています。